つくばみらい市の小学生、横浜で「伝える」を学ぶ
新聞を作り、ラジオで生放送に出演する。
教室を離れた学びの時間に、小学生たちは「伝える側」になる体験を重ねていました。

この日は、講師や会場の調整を含め、取材に同行しました。
今回の取り組みは、学校からの相談を受け、ココハマ.が講師や会場の調整を行い、実施されました。
地域メディアとして、次の世代の学びを応援したいという思いから、取材とあわせてサポートしています。
茨城県つくばみらい市にある開智望小学校の5年生が、横浜での校外学習を実施しました。
国際バカロレア(IB)プログラムに基づき、探究型学習を実践する同校では、毎年秋に宿泊を伴うフィールドワークを実施。5年生は「第三次産業」をテーマに、2泊3日で横浜の産業や文化を体験的に学びます。
今回のフィールドワークでは、新聞・ラジオといったメディア産業に注目し、新聞制作とラジオ生放送出演という、貴重な学びの場が用意されました。
情報を「届ける」プロによる特別講義
今回のプログラムでは、新聞やラジオといったメディアの現場で活躍する講師を迎え、情報が人に伝わる仕組みについて学びました。
講師紹介
関口 修司さん
日本新聞協会NIE(Newspaper in Education)コーディネーター。
小学校教諭として長年教育現場に携わり、校長を歴任。新聞を活用した教育実践を通して、子どもたちの学力や表現力の向上に取り組んできました。
笹原 延介さん
マリンFM代表取締役。
横浜市中区出身。地域に根ざしたラジオ放送を通じ、災害時の情報提供や地域コミュニティづくりに取り組んでいます。
「新聞の書き方」講座
― 事実を伝える責任を学ぶ ―

子どもたちは真剣な表情で耳を傾けていました。
プログラムの最初に行われたのは、関口修司さんによる新聞講座です。
「家で新聞を取っている人はいますか?」そんな問いかけに、半数以上の生徒が手を挙げました。
講義では、新聞づくりの基本として、
・見出しのつけ方
・読者の視線の動き
・情報発信におけるモラルや著作権
といった点が、実際の紙面を使いながら分かりやすく解説されました。
特に、「人を傷つけない表現」や「事実を正確に伝える責任」の重要性が強調されます。
「形にこだわりすぎなくていい。五感を使って取材し、仲間と協力して、事実を丁寧に伝えてください。1回で完璧なものはできません。挑戦を重ねることで、必ず良くなります」
新聞制作は実際の課題として出され、生徒たちは“情報の送り手”として考える時間を持ちました。
プレゼンテーション力やコミュニケーション力にもつながる、実践的な学びです。
新聞を通して、情報社会を生きる力を育む
― 関口さんインタビュー ―
講義後、関口さんにお話を伺いました。
――新聞を教育に取り入れる意義は?
「紙の新聞を読む子どもたちは、確実に学力や集中力が伸びます。
毎週新聞を読む習慣を続けることで、学力面だけでなく精神面でも成長が見られました」
――なぜそのような効果があるのでしょうか?
「新聞には多様な情報があります。
自分の興味関心と社会が自然につながり、教科書の学びが“生きた知識”になるのです」
――これからの教育に必要なことは?
「デジタルも大切ですが、実際に現場で体験し、失敗し、考えること。
その試行錯誤こそが、探究教育の本質だと思います」
ラジオの役割を学ぶ

生徒たちは身近なメディアとしてのラジオに耳を傾けていました。
続いて登壇したのは、マリンFM代表取締役の笹原延介さん。
「新聞は知っているけれど、ラジオはあまり聞いたことがない」そんな声が多く挙がる中、笹原さんはラジオの役割や特徴について、分かりやすく解説しました。
特に強調されたのは、災害時に地域へ正確な情報を届ける、ローカルラジオの重要性です。
講義後の質疑応答では、
・周波数の数字の意味
・放送局が被災した場合の対応
・24時間放送の仕組み
などについて、次々と質問が飛び出しました。
普段あまり触れる機会のないラジオだからこそ、子どもたちにとって新鮮で、関心の高い学びとなった様子がうかがえます。
ラジオ番組に生出演!
言葉が「届く」瞬間を体験
後半は、横浜ハンマーヘッド内にあるマリンFMスタジオへ。
生放送番組『ヨコハマ Voice Street』に、生徒6名が出演しました。


最初は緊張した表情でしたが、パーソナリティのラヴィッツ松尾さんの声かけに、次第に笑顔が見られるようになります。
「横浜の好きな場所は?」
「横浜で驚いたことは?」
素直な言葉で語る生徒たちに、スタジオは終始、温かな空気に包まれていました。
放送中には、Xを通じてリスナーからリアルタイムで反応が寄せられ、横浜だけでなく、スペインからのメッセージも届きました。
自分たちの言葉が、遠く離れた場所にも届く。
その実感は、生徒たちにとって、忘れられない体験になったことでしょう。

体験を通して生まれた思いが、言葉として届けられる時間となりました。
体験から生まれる「伝える力」
新聞を作り、ラジオで話し、仲間が発信する姿を目の前で見る。
まさに、「百聞は一見に如かず」の学びでした。
誰かに伝えるために考え、言葉を選び、声に出す。
その一つひとつの経験が、知識だけでは得られない確かな自信へとつながっていきます。
横浜で過ごした時間が、生徒たちの「伝える力」や「人とつながる力」として育っていくことを、心から願っています。
画面の向こうで情報を受け取るだけでなく、実際に足を運び、体験し、言葉にしてみる。
そんな学びの時間は、きっとどの子どもにとっても、これからの成長を支える大切な土台になるはずです。
ぜひ、また横浜に学びに来てください。
◇取材:辺見 ◇編集:ココハマ.編集部
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