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Pick UP! ハマのみらい 「20代の女性鍼灸院長」


20代の女性鍼灸師が「さくら鍼灸院」をオープン

人生100年時代。いくつになっても自分らしく元気に過ごすために、心身のケアが大切になっていきます。また、価値観の多様化が進み、女性の生き方や感じ方、困りごとがポジティブな方向でオープンになってきました。それに伴い、女性のライフステージごとに訪れる不調や、健康の課題を解決する手助けとなるサービスやテクノロジーを意味する「フェムテック」にも注目が集まっています。

2023年秋。横浜駅東口のオフィスビルやレストランなどが並ぶ大通りの一角に、「さくら鍼灸院」がオープンしました。
院長を務めるのは小早川光(こばやかわ・ひかる)さん。若干27歳で自店を持った彼女ですが、ふんわりとした優しい物腰の奥に芯の強さが漂います。

「はり」と「お灸」を用いて施術する鍼灸は、様々なストレスからくる不調や、ライフステージの変化による体調の揺らぎなど、心と身体のあらゆる「困りごと」へ東洋医学からアプローチする治療法です。WHO(世界保健機関)にもその効果は認められています。鍼灸師は、整骨院や整形外科医院で怪我やぎっくり腰などの痛みの緩和や回復をサポートするスペシャリストとしても認知されていますね。

今回は、お客様へ誠実に接する若手実力派鍼灸師に、鍼灸の道へ進んだきっかけと、彼女の鍼灸師としての熱い思いをたっぷりお聞きしました。

鍼灸との出会いは、高校1年生

福岡県出身の小早川さん。中学・高校時代はバドミントン部に所属し、充実した毎日を過ごします。

そんな彼女が高校1年生の時、部活動中に膝に違和感を覚え、近くの整骨院に行き鍼灸師の先生に症状を相談。
すぐさま整形外科で診てもらうように言われ、自宅近くの整形外科を受診しますが、そこでは軽い炎症だと診断されます。

翌日、整骨院の鍼灸師さんに診断結果を伝えたところ、医師の初診とは別の診断が疑われるため、精密検査が必要であることを真摯に説明してくれたそう。

後日、別の大きな病院で検査を受けた小早川さんへの診断は、やはり整骨院の鍼灸師さんが指摘した診断と同じものでした。そしてなんと、早めの手術が必要であることも発覚。診断から程なくして入院・手術・リハビリとスムーズに治療が進み、小早川さんの脚は大事に至らず済んだとのこと。

「あの整骨院の鍼灸師さんの指摘がなかったら、私の脚はどうなっていたんだろう。部活への復帰はおろか、歩くこともそれまでとは違ってしまったかもしれない—。」

このことをきっかけに、高校生の小早川さんは自分の脚を救ってくれた鍼灸師という存在に大きな感謝をすると共に、強い憧れを抱くようになります。

小早川さんのサロンの鍼。サロン内の衛生管理の徹底はもちろん、この鍼も全て使い捨てで、アレルギー反応の出にくいステンレス製のものを使用しています。

鍼灸師になりたい!国家資格を目指し医療専門学校へ

自身を救ってくれた鍼灸師さんへの憧れを、将来の夢に紡いだ小早川さん。高校2年生の時には進路をすでに決めていたという彼女、卒業後は迷わず地元福岡県内の鍼灸科のある医療専門学校へ進みます。

鍼灸師になるには厚生労働大臣が定める医療国家資格の「はり師」と「きゅう師」の資格を取得せねばなりません。大学や医療専門学校の鍼灸科で3年以上、専門知識や技能実習などを通して知識と技術としっかりと身につけた後、国家試験へ挑みます。
なんと小早川さんは、この医療専門学校時代にも自身の将来のモデルとなるような鍼灸師に出会います。

授業の一環で、ベテラン鍼灸師の方に直接指導をしてもらえる機会を得た小早川さん。その講師は、都内と神奈川でいくつかの美容鍼灸サロンを経営するとても実力のある方でした。間近でその方の技術や理念に触れることで、お客様の「美」と「健康」どちらもサポートすることができる美容鍼灸の魅力に目覚めます。
美容鍼は、心身ともに明るく美しくすることができる。どんな年齢層の方へも、自分の施術でそれを叶えてあげることができる—。
美容鍼の豊かな可能性に小早川さんの胸は高鳴ります。

「この先生のお店で働きたい!」

その後小早川さんは、努力を重ね鍼灸師の国家資格を取得。そして恩師の美容鍼灸サロンから念願の内定をもらい、21歳で福岡から上京し鍼灸師デビューを果たします。

自分のサロンを持つために—20代の決心

お客様とのカウンセリング。その方の困りごとや要望へしっかり向き合います。

尊敬する恩師のサロンで働き始めた小早川さん。粛々と努力を重ね、美容鍼と体鍼のどちらのメニューも施術できる鍼灸師へ成長します。高校生から憧れ続けた職業に就くことが叶った彼女。その胸に、新たな目標が芽生えます。

「いつか独立して、自分のサロンを持つ。そして目の前のお客様のお身体の状態となりたいご自身のイメージに合った、オーダーメイドの施術がしたい。お客様も自分自身も納得した施術をして笑顔でお見送りできる、そんな鍼灸院ができたらいいな…。」

小早川さんはこの強い思いを胸に抱きながら、サロンで接客と技術に磨きをかけました。また、並行して独立の準備や勉強も進めていたそう。

鍼灸師になって6年が経ったある日、長年サロンを利用する、とあるビルオーナーさんから提案がありました。

「自分の管理している横浜駅東口の建物の一室を、地域の方が気軽に利用できるサロンにしたいんです。体のメンテナンスや美容に関わるセラピストさんたちの独立を後押ししたい思いもあります。小早川先生、うちのお部屋を使って開業してみませんか?」

なんと、彼女の施術のスタイルを知り長年利用してくれている顧客さまから、開業のお話をいただけたのです。

「ぜひ、やらせてください。よろしくお願いいたします!」

そして2023年秋、小早川さんは横浜駅東口に「さくら鍼灸院」を開業。福岡で鍼灸師に救われた一人の少女は、11年後、横浜で美容鍼灸サロンの院長になりました。

鍼灸で地域の方の心身を美しく!この思いを施術で届けたい

さくら鍼灸院では、これから彼女が目指す「お客様一人ひとりに合ったオーダーメイドの施術」をしっかり実践していきます。
鍼灸の施術を受けたことがない方は、どうしても「はり」や「お灸」に対し痛みなどのネガティブイメージを持ってしまいがちです。しかし、そんな鍼灸未体験の方にこそ、ぜひ来院してほしいと小早川さんは言います。

「美容と健康、どちらもサポートできるのが鍼灸の魅力です。地域の皆さまが、いくつになっても自分らしく元気に、そしてその方らしい魅力的なお姿でいられるお手伝いをしたいと思っています。1度の施術で、驚くほど変化を感じて笑顔で帰られるお客様も少なくありません。ぜひ一度、お気軽に鍼灸を試してみてくださいね。」

これからいらっしゃる新しいお客様への思いを語る小早川院長の眼差しには、キラキラした希望の光が宿っていました。

大きな怪我をきっかけに、自身の人生を決断することになった小早川さん。自身の脚を救ってくれた恩人、目標となる恩師、そしてチャンスをくれるお客様—。人との縁を大切にし、マイナスもプラスに変えて、お客様のために努力し続ける彼女。更なる成長を見届けたくなりますね。


小早川院長の目指す鍼灸のあり方は、これからの時代を生きる私たちの未来を見据えたとっても頼もしいもの。
今後も柔らかでやさしい心を持った若い世代の、独立・開業が増えていくことをココハマ.は願います。

(取材:ココハマ.編集部)


「さくら鍼灸院」
神奈川県横浜市西区平沼1-38-2 咲久良ビル 602【横浜駅東口より平沼橋方面へ徒歩5分】

◯公式HP(予約はこちらから)
https://www.hamakko.jp/shinkyu/
◯インスタグラム
@sakura.shinkyu_yokohama

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